大成化工株式会社様
2017年度より、先進的にDMF(ドラッグマスターファイル)電子化に対応されました大成化工株式会社 研究開発部の石井様(右)と吉見様(左)に、DMFの電子化をご決断された経緯や一連の取り組みなどについてお話を伺いました。
Q1. 御社は非常に早い段階からDMF電子化のご検討を開始されましたが、その経緯をお聞かせください。
FDAが旧来の申請様式(紙ベース)のDMFを受領しない期日が2017年5月から1年延期になったため、結果的に早い段階からの検討となりました。
Q2. 御社がDMF電子化対応の検討を開始されてから、実際の申請開始までの準備期間はどれくらいでしたか。
1年程度です。
Q3. DMF電子化の検討段階において、最も大きかった懸念点についても伺えますか。
弊社のDMFはタイプIII(包装材料)ですが、原薬や製剤の用に項目立てされたICH M4Qに対応することが一番の懸念点と思われます。具体的に説明すると、ICH M4Qのタイトルは、2.3.S 原薬、2.3.P 製剤、2.3.A その他と記載されています。包材は2.3.Aと判断し、その下の階層を見ると、2.3.A.1 製造施設及び設備、2.3.A.2 外来性感染症物質の安全性評価、2.3.A.3 添加剤となっています。紙ベースで記載していた製品に関する情報をeCTD様式で収載する場所の判断が自分でつけることができず、組み替え作業に行き詰りました。ちょうどそのころイーサさんのことを知って連絡をとり、状況をご理解いただいて、この点がサポート可能な提携先をご紹介いただき、電子化対応に目途が付きました。
Q4. それでは、実際DMFの電子化対応が始まり、大変だった業務を教えていただけますか。
前述の回答と同様です。弊社のDMFは包装材料ですが、原薬や製剤用に項目立てされたICH M4Qに対応することが一番大変でした。
項目立てした後は、紙ベースのDMFに記載していなかった情報を加筆しながら作り上げていく点も大変でした。作成した後にガイドラインを読み返し、間違いに気が付き修正する、という作成・修正作業を繰り返しました。イーサさんの提携先に内容をご確認いただき、修正対応も行い、気が付けば想像していたより多くの時間を費やしてしまいました。
Q5. 記載内容の組替え後、いよいよ電子化のプロセスへ移ることとなりましたが、Wordの電子的なチェックにおいて修正も発生したと思います。紙の時との違いはどのように感じられましたか。
紙ベースは印刷すれば終了でフォントや様式の設定は自由でしたが、電子形式では決められているので、最初はWordの設定が思い通りにならずに苦労しました。
Q6. 本年度、DMFの電子化に取り組まれてみてのご感想をお聞かせください。
完成像が曖昧な状態で作業に取り掛かったので大変でした。思い返すと、修正等の無駄な作業も多かったと感じています。今後は1ファイルごとの完成にかかる時間は削減できると思います。
Q7. この度はDMF電子化対応において弊社をお選びいただきましたが、複数社ご検討の中から最終的に弊社へとご判断くださった理由を教えていただけますでしょうか。
フォルダの階層分けのサポートがあった点です。費用に関しては既存の代理店と比較して高かった点が障害でしたが、イーサさんに相談して同等程度に下げていただき、業者変更をすることができました。業者変更のための資料を快く作成いただき感謝しています。
Q8. それでは最後に、今後DMFの電子化に取り組まれる企業様へメッセージを送るとしたら、どのような内容になりますでしょうか。
組み替え作業は、慣れていないので想像以上に大変な作業となりますが、項目に何を盛り込むかを明確にすれば、ベースの作成は紙ベースと変わらないと思います。紙ベースと違って、eCTD形式での提出が必要な点があるので、早めに作業を完了する必要があります。目安としては、半年を軸に考えた方が良いと思います。
大成化工株式会社様のご経験やメッセージは、今後DMF電子化に取り組む企業様にとってのご参考になると思います。貴重なご意見を沢山賜りありがとうございました。